1. ペンエンドプログラムインジャパン(一年間レギューラーコース)とは
このプログラムはペンシルバニア大学歯内療法学科とPESCJとのコラボレーションプログラムです。 残念ながら現在、日米間の歯内療法臨床における格差はどの切り口から見ても小さいとはいえません。 この差を埋めることを目的とした教育プログラムが Penn Endo Program in Japan です。 プログラム修了者は確実に歯内療法臨床力をランクアップして頂けます。そして日本の歯内療法治療の質を上げて頂きたいと考えています。このプログラムの内容はペンシルバニア大学大学院プログラム(専門医養成プログラム)をコンパクトにまとめたもので、構成自体は大学院プログラムのカリキュラムに近いものとなっています。
修了後の臨床力の向上した自分をイメージしてください。ゴールは“身につける”ことなのです。 このプログラムは他の卒後研修プログラムとは異なり、修了していただくための requirement(必修課題)があります。そのための学習時間を惜しむことは出来ません。 一年間毎月2日間(計22日間)+ ペンシルバニア大学での研修および最終試験(3日間)となります。
2. ペンエンドスタディークラブインジャパンによるGPのための6ヶ月コース
このプログラムは、一般医の先生方が自医院や自分の診療スタイルに最も適した形での歯内療法の提供の仕方を構築するためのお手伝いをさせていただくようにプログラムされたものです。学習内容としては以下のようなことが含まれております
・エンドは早く終わらせて、他の処置に進みましょう
・エンドの問題解決のための方法を学びましょう
・まやかしや特別な方法でなく、グローバルスタンダードな術式を学びましょう
したがいまして参加対象は以下のような先生方になります。
・日常臨床において経営的・時間的に効率よく歯内療法に対処、対応したいとお考えの歯科医師
・日常臨床の歯内療法部分の損失を減少または収益化したいとお考えの歯科医師
・経験的・対症療法的な術式でなく、グローバルスタンダードな歯内療法を学びたい歯科医師
3. 歯内療法専門医養成レジデントプログラム とは
このレジデントプログラムは北米の歯内療法専門医プログラムと同等の教育内容になります。 プログラム受講には上記ペンエンドプログラムインジャパン1年コースの受講が必須となります。 歯内療法専門医(ここでの専門医とは北米の専門医と同等の実力がつき、歯内療法領域のみの診療を行い、生計を立てていることを意味します)になるためのプログラムです。 週5日間終日(平日)のプログラムになるので就業されている先生は参加できません。
プログラム内容として、臨床実習、文献抄読、抜去歯実習、見学・診療補助を個々の能力・経験値・上達度(臨床実習をどの程度実践可能かを中心に)によって組み立てます。 プログラム終了後は歯内療法専門医院への就職もしくは開業の支援をいたします。
University of Pennsylvania, Department of Endodontics
米国で最も古い歯内療法学科の一つで、米国歯内療法学の父といわれる Louis I. Grossman 教授によって創設されました。 ペンシルバニア大学歯内療法学科はこの分野で最も進んだ教育機関であると考えられ、 全米はもとより世界中から優秀な歯科医師が教育、トレーニングコースを受けにその門をたたきます。
現在では Syngcuk Kim教授、Bekir Carabucak 主任教授のもと、全米初の大学ベースのマイクロスコープトレーニングセンターも設立され、そのトレーニング内容は非常に高い評価を受けています。
Syngcuk Kim 教授 推薦文
「ペンエンドスタディークラブインジャパンは、過去80年の歴史を有する私どもペンシルバニア大学歯内療法学教室の 卓越した生物学的根拠に基づく歯内療法学の哲学を受け継いでおり、同教室の主任教授として日本でこのようなプログラムの発足に協力できたことを幸せに思っております。 このプログラムに参加される先生方は、私どもの教室の歯内療法に対するエッセンスを学ぶことができ、また プログラムの締めくくりとして私どもの教室に来て頂き実際の教育を受けて頂きます。
私どもの教室で歯内療法のトレーニングを受けた石井先生と牛窪先生は、ペンシルバニア大学で学んだ教育を私どもの講師陣とともにこのプログラムのカリキュラムに組み込みました。 その内容は類のない素晴らしいものであることをお約束致します。」
Karabucak 教授 推薦文
「ペンエンドスタディクラブインジャパンの皆さんとお会いし、共に活動することは、常に私の喜びであります。日本の仲間との関係を維持できることによって、常に刺激的で教育的に有意義な会話につながり、知識および臨床技術をさらに発展させることができるのです。私は、ペンシルバニア大学歯内療法科の哲学と価値観を日本の仲間と共有できることを誇りに思います。石井先生、田中先生、横田先生が持つ専門的な知識とそれに基づいた臨床技術は、日本の歯内療法専門医の理想となるであろうと確信しています。ペンシルベニア大学のキャンパスでも、日本でも、それがどこであれ彼らに会うのはいつも私の楽しみです。」
北米の専門医制度と専門医養成プログラム
北米における専門医養成プログラムは『歯学部大学院』がその役割を果たしています。 歯学部大学院は臨床医としての専門医を育てるという事が大きな目的の一つであり、後に研究や教育に力をいれる先生方もいらっしゃいますが、修了者の大多数が卒後には開業専門医としての道を選びます。 米国では Master of Science (MS)や Philosophy of Doctor (PhD) などの学位を取得するには、この専門医プログラム終了後もしくは同時に学位取得のためのプログラムをさらに追加していく形を取る事になります(プログラムによっては最初から組み込まれています)。 この専門医プログラムを終了すると、アメリカ歯科医師会(ADA)によって認可された各専門分野の学会(歯内療法分野ではAAE)認定の専門医として登録されます。 現時点で日本国内にこの専門医プログラムを終了した歯内療法専門医は数名しかおりません。
PESCJの主宰者でありペンシルバニア大学歯学部歯内療法学科の非常勤講師でもある石井宏先生がその一人であります。 日本ではまだ歯内療法分野において専門医制度は導入されておらず、米国のような臨床専門医を育てるプログラムもありません。 Penn Endo Program in Japan は石井宏先生の指導のもと、北米式専門医養成プログラムを採用した日本国内唯一の教育プログラムです。 また、ペンシルバニア大学歯内療法学科には海外の一般歯科医師が特に歯内療法のレベルアップをはかるためのプログラムとしてインターナショナルプログラムが用意されております。 このプログラムは4週間を1期間として2年間の間に3期間(合計12週間)ペンシルバニア大学を訪問し講義の受講や抜去歯を用いた実習を行います。